cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
かつて流行し、今も社会に根付く「お客様は神様です」という言葉が問い直されている。店員に土下座を要求したり、駅員に詰め寄ったりと、一部の客の行き過ぎた言動が後を絶たないためだ。他人への不寛容な風潮は強まるばかり。自らの心を押し殺して接客せざるを得ない労働は「感情労働」と呼ばれ、それが必要な職場で働く人を守ろうと、国に対策を求める動きも出てきた。(段 貴則) 「1本の電話で1時間以上、苦情をうかがうこともある。さすがに悪意のある言葉を聞き続けると、心まで疲れ果ててしまう」 兵庫県内の企業で、客の苦情などに対応するベテラン男性社員はこぼす。人格を否定されたり、「家まで行くぞ」と脅されたりする電話も受ける。 「感情を抑えられない人が多く、こちらが女性社員の場合だと、かさにかかって牙をむいてくる」。言いがかりなどに対応する研修の開催も重ねている。 飲食や鉄道など不特定の客と接する感情労働の現
「まさか私が出所した翌日の未明に、国会でIR法案(カジノを含む統合型リゾート整備推進法案)が成立するとはね。よくできた冗談かと思いました」。そう話すのは、2011年11月、特別背任で逮捕された井川意高(もとたか)・大王製紙元会長(52)。カジノで106億円を失った男は、なぜか日本カジノに悲観的なのであった。 *** 井川氏は、カジノで作った借金を返済するため、関連会社から巨額の資金を不正に借り入れた。13年7月、懲役4年の刑が確定。3年2カ月服役し、16年12月14日に仮出所したのだ。以下は、井川氏の話である。 「塀の中にいる時は、差し入れなどで届けられる本や雑誌を仕分ける図書工場で作業していました。担当刑務官や受刑者仲間にも恵まれ感謝しておりますが、法案に反対、ギャンブル依存症の根絶を掲げる団体などからの面会の申請には困惑しました。私は元々、法案に反対する人々に批判的なので、彼らに
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