今年6月、酒の過度な安売りを規制する改正酒税法が施行され、ビールや発泡酒の値上げが相次いだ。 これに加えて、「居酒屋の飲み放題禁止」「バーとスナック以外での屋内全面禁煙」といった、飲食店を対象とした規制の話題も浮上するなど、呑んべえには面白くない時代だ。酒と呑んべえを題材にした作品で知られる加藤氏は、こんな現状をどう観察しているのだろうか? 横浜駅(きた西口)を出てすぐのところに、昔ながらの酒場がところ狭しと並ぶ横丁がある。今回、加藤氏と待ち合わせた場所は、横丁の入り口に店を構える創業60年の老舗酒場「のんきや」。この店の常連である加藤氏おすすめのシロ(タレ)を肴に、瓶ビールで喉を潤しつつ取材はスタートした。 まず政府のアルコールの大義名分である健康被害について、加藤氏に話を聞いた。 「たしかに健康被害は大変な問題ですよね。依存症を減らす対策を打つのは大事なことだと思います。ただ、ちゃんと