C大阪ユースから長崎総科大附へ「移籍」したMF鈴木冬一。多様な育成、ハイブリッドな選手というのも近年の選手権におけるトレンドの1つかもしれない 【川端暁彦】 今年のワールドカップ(W杯)ロシア大会を戦った日本代表を思い出してみると、中盤中央に陣取ったのは長谷部誠と柴崎岳のコンビだった。前者は藤枝東高校、後者は青森山田高校の出身である。そして左サイドには野洲高校出身の乾貴士。中央の2人はどちらも高校サッカー選手権の応援リーダー(選手権は有名選手をポスターなどに起用している)になった経験のある選手であり、乾は今年の応援リーダーである。 一般的な高校サッカーのイメージは熱さや激しさが先行するだろうから、テクニカルな要素の強い中盤の選手が育つ感覚はないかもしれない。ただ、「うまい選手を戦えるようにするのが高校サッカー」(青森山田・黒田剛監督)という一面もある。特に中盤の選手に多様な能力が求められる