紙の上で見ている世界と実際に起きていることの乖離 メン獄 僕ら自身だって突然どうしてもこれをやりたいというのが出てくるし、最終的には魂と魂の問題になりますよね。 樋口 そうですね、率直な話、ロジカルシンキングだとか仮説思考だとかって、真理ではなくひとつの話法でしかないから、通用しない人には全く通用しない。お客さんたちのいる世界っていうのはリアルビジネスの世界で、つまりなんでもありの野生の世界なわけです。ビジネスってめちゃくちゃ野蛮でダイナミックだから、そういう生の現場では、綺麗ごとだとか、単なる小手先の技術や思考法なんか全然通用しないことも多い。本気の人間と本気の何かを動かそうとする時には、メンさんの言うように魂で勝負するしかない。 撮影 細田忠/文藝春秋 メン獄 僕は今の医療現場にきた時、これまで自分はどれだけ机上でものを考えていたか――紙の上で見ている世界と、実際に起きていることの乖離