前記事では、主に弁護人の尋問にて明らかにされた被告人の過去について触れました。 重度障害児の母親である被告人が数々の辛い経験を積み重ね、娘の将来を悲観するに至った経緯を弁護人の被告人尋問から書き起こした内容でした。 【事件の概要】 平成27年5月27日、被告人(当時65歳)は、自宅アパートの部屋で、自閉症の長女(42歳)の首を包丁で刺して殺害した(詳細は前記事参照)。 自閉症の子の将来を悲観した母親の無理心中事件〜裁判傍聴記 - にののシステム科学講座 本記事では、最終的に被告人を無理心中へと追い詰めることとなったある出来事=被告人の成年後見就任について、私が本事件の裁判傍聴で聞き取った範囲で書きます。 目次 被告人、娘の成年後見人となる 成年後見人の業務 被告人が家庭裁判所に財産状況を報告しなかった理由 不当利得返還等請求訴訟を起こされる 弁護人による被告人の弁護 (1)B弁護士が被告人