安倍晋三首相のメールマガジンで東京電力福島第一原発事故時の対応を批判され、名誉を傷つけられたとして、菅直人元首相が安倍首相に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であった。後藤博裁判長は、記述された経緯は「主要な部分で真実だ」と認め、一審・東京地裁判決を支持して菅氏の控訴を棄却した。 判決は、菅氏が2011年3月12日の会議で海水注入による再臨界の可能性を強い口調で質問したことが、海水注入を中断するという東京電力幹部らの決断につながったと指摘。実際には注入は続けられたものの、「東電による誤った決断につながったという意味において、菅氏の間違った判断があったと評価されるのはやむを得ない」と述べた。 問題となった同年5月20日付の安倍首相のメルマガは、菅氏の海水注入をめぐる判断や報道発表を批判し「国民に謝罪し直ちに辞任すべきです」などと記述した。 判決後、記者会見した菅
新潟県知事選は29日告示され、無所属の新顔4人が立候補した。東京電力柏崎刈羽原発が立地する同県で、再稼働に慎重な姿勢をとり続けてきた泉田裕彦知事が立候補を取りやめた。候補者は国や東電にどう向き合おうとしているのか、有権者はそれぞれの立場で論戦を注視する。10月16日、投開票される。 立候補したのは、元団体職員の三村誉一(70)、同県の前長岡市長の森民夫(67)、医師の米山隆一(49)、行政書士の後藤浩昌(55)の4氏。 原発再稼働を進める与党の自民、公明の推薦を受ける森氏と、共産、社民、生活が推薦し、福島第一原発事故の避難者らが加わる市民団体が支援する米山氏は、新潟市内で第一声を上げた。 森氏は「安全確保最優先。国の結果が出ても、県の技術委員会や市町村と協議し、検証する。国や東電に私は意見が言える」とアピール。応援に駆けつけた自民の古屋圭司選挙対策委員長は、「エネルギー政策も原子力政策もた
今季限りで引退するDeNAの三浦大輔投手(42)が29日、レギュラーシーズン最終戦のヤクルト戦(横浜)に先発し、7回途中12安打10失点でマウンドを降りた。6―10で相手にリードを許した状況で降板し、連続勝利はプロ野球タイ記録の23年で止まった。 始球式を務めた愛息から、「頑張って」と背中を押されて上がったマウンド。一回は併殺崩れの1失点に食い止めたが、二回にヤクルト打線につかまった。1死一、三塁のピンチを招き、プロ初打席の8番・広岡に3ランを浴びた。 2点リードで迎えた四回は、2死満塁で川端に2点適時打を打たれるなど3失点。六回にも3点を失い、七回の先頭、雄平を空振り三振に仕留めたところで、マウンドを降りた。 20日に引退を表明。当初は24日の本拠地最終戦に先発予定だったが、雨天のため順延となり、今季143試合目の最終戦が花道になった。チームは3位が確定しているが、大入りの客席が「ハマの
■今回の一冊■ CRISIS OF CHARACTER 筆者 Gary J. Byrne 出版社 Center Street アメリカでは11月8日の大統領選挙に向け、民主党のヒラリー・クリントンと共和党のドナルド・トランプの両候補の対決が一段と火花を散らしている。大統領選が最終ラウンドに突入するのを前に、この夏のアメリカのベストセラーにおける両候補の健闘ぶりを振り返ってみたい。 反ヒラリー本のなかでも特に人気 結論から言うと、ベストセラーリストではヒラリー・クリントンが上位を独占し圧巻の強さをみせた。とは言っても、ヒラリー・クリントンを個人攻撃するアンチ・ヒラリー本の話だ。 例えば、ニューヨーク・タイムスの8月14日付の単行本ノンフィクション部門のベストセラーリストではトップ3がすべて反ヒラリー本だった。アンチ本が売れるということは逆に、その存在の大きさを映していると好意的にとるべきなの
東京都は29日、豊洲市場(江東区)の地下水から環境基準を超えるベンゼンとヒ素が検出された、と発表した。基準超の有害物質が検出されたのは、土壌汚染対策工事を終えた2014年以降の都の調査では初めて。専門家は「安全性に問題はない」とみている。 都によると、調査では敷地内の201カ所で濃度を観測。このうち青果棟がある「5街区」の2カ所で、地下水1リットルあたり0・011~0・014ミリグラムのベンゼン(環境基準は0・01ミリグラム)、別の1カ所では同0・019ミリグラム(同0・01ミリグラム)のヒ素を検出したという。環境基準は、生活環境を守るために維持することが望ましい行政上の目標だ。 都の調査は14年11月から続けられ、今回が8回目。都は盛り土のない現状について、安全性を検証する専門家会議などに報告し、対応を検討するという。 今回の調査結果について、横浜国立大の浦野紘平名誉教授(環境安全管理学
入院患者2人が相次いで死亡する事件が起きた大口病院は「当分の間」として、外来診療を取りやめ、入院患者のケアに専念している。女性職員の一人は28日、「私たちも精神的に参っている。何よりも患者さんに迷惑になっているのではと心配です」と話した。 女性によると、高橋洋一院長からは「身を引き締めて仕事に臨むように」と話があったという。「どういうつもりで犯人がやったのかわからないけれど、職員は心を痛めている」と話した。 病院幹部によると、苦情の電話が一晩に50件ほどにのぼった日もあったという。「『とんでもない病院だ』『人殺し!』と電話口で叫ばれ、職員が憔悴(しょうすい)している。異常事態だ」と自らも疲れた様子で漏らした。(天野彩、国吉美香)
日本サッカー協会は29日、2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選のイラク戦(10月6日、埼玉スタジアム)と、オーストラリア戦(同11日、メルボルン)に向けた日本代表26人を発表した。 メンバーは次の通り。 ▽GK 川島(メス)西川(浦和)東口(ガ大阪) ▽DF 長友(インテル・ミラノ)槙野(浦和)森重、丸山(以上FC東京)太田(フィテッセ)吉田(サウサンプトン)酒井宏(マルセイユ)酒井高(ハンブルガーSV)植田(鹿島) ▽MF 長谷部(フランクフルト)柏木(浦和)永木(鹿島)香川(ドルトムント)清武(セビリア)山口(セ大阪)大島(川崎) ▽FW 岡崎(レスター)本田(ACミラン)小林(川崎)原口(ヘルタ)宇佐美(アウクスブルク)武藤(マインツ)浅野(シュツットガルト)
日本サッカー協会は25日、2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の初戦となるアラブ首長国連邦戦(9月1日、埼玉スタジアム)と、第2戦のタイ戦(同6日、バンコク)に向けた日本代表24人を発表した。 初選出はなく、6月にあった国際親善試合のキリンカップ(25人)からGK川島(メス)、DF丸山(FC東京)、MF小林(ヘーレンフェイン)、遠藤(浦和)、FW金崎(鹿島)が外れた一方、GK林(鳥栖)、DF太田(フィテッセ)、MF山口(セ大阪)、FW武藤(マインツ)が復帰した。リオデジャネイロ五輪代表から大島(川崎)と浅野(アーセナル)の2人が入った。 記者会見したハリルホジッチ代表監督は「けがやコンディション面で心配な選手がいる。バックアップ選手を準備している」と話し、MF中村(川崎)らに用意させていることを明かした。 また、金崎を外した理由を「あの態度は受け入れがたい」と自ら説明し
家賃や医療費の負担が、ワーキングプアや低年金にあえぐ人々を苦しめています。暮らしの安定にかかわる分野だけに、早急な対応が求められています。 生活保護を受けると衣食住に必要な最低限のお金は行政から支給される。必要な医療も無料で受けられる。だが、生活保護を受けていない「隠れた貧困層」には、こうした福祉がほとんど行き届かない。 例えば、重い家賃負担に悩む人は多い。 さいたま市の50代男性は、今年6月に生活保護を受けるまで2年ほど、車上生活だった。借りていたアパートを引き払ったのは、月5万円の家賃を払うのが負担だったからだ。 設備会社の職人だったが仕事が減り、数年前に警備のアルバイトを始めた。日給は7千円。仕事がない日もあるし、工事現場の警備は雨が降れば休みだ。収入は不安定で月10万~15万円。都内の仕事場まで交通費がかかるし、帰宅しても寝るだけ。家賃を払うのが惜しくなった。着替えや身のまわりの物
生活保護を受ける人は200万人を超え、20年前の2・4倍に増えました。その背後には、さらに膨大な「隠れた貧困層」もひかえています。人々が安心して暮らせる手立ては用意されているのでしょうか。 「毎月やりくりしても赤字が出ちゃう…」 埼玉県の女性(77)が、通帳とにらめっこしながらため息をついた。10年前には100万円以上あった貯金は、すでに10万円を切っている。 40代で会社員の夫と別れ、子連れで住み込みの寮母などをして息子2人を育てた。清掃員をしていた70歳のとき、高齢を理由に仕事を辞めさせられた。その後は探しても職がなく、年金頼みの暮らしになった。 女性は厚生年金の加入期間もあり、もらえる年金は1カ月で9万円ほど。うち半分は、一人で住むアパートの家賃にあてる。電話代や光熱費などで計1万円強。食費を切りつめても、長年かけてためたお金が目減りしていく。息子たちが月2万円ずつ援助してくれると言
米同時多発テロの遺族らがサウジアラビアなど外国政府に損害賠償を求めることを認める法案をめぐり、米議会は28日、3分の2以上の賛成多数で再可決し、オバマ大統領が発動した拒否権を覆した。拒否権が覆されたのはオバマ政権で初めて。 法案はまず5月に上院、今月9日には下院でそれぞれ可決された。しかし、サウジ政府との関係を損なうことや、海外で米国に対する訴訟が頻発するきっかけになることを懸念したオバマ氏が23日に拒否権を発動していた。上下両院に覆された拒否権を再び行使することはできず、法案が成立することになった。 オバマ氏は米CNNで再可決を「間違いだ」とし、議員が選挙を意識した「政治的な投票だ」と批判した。 法案は通称「9・11法案」と呼ばれ、テロに関与した外国政府に対して訴訟を起こすことを認めている。現行法では、外国政府は免責が認められていた。 同時多発テロでは、実行犯19…
今年のイグ・ノーベル賞を受賞した東山篤規・立命館大教授(65)が29日、米国での授賞式後、初めて同大衣笠キャンパス(京都市北区)でゼミに出席した。冒頭、花束と記念品を贈られた後、学生と一緒に「股のぞき」のポーズを取った。 東山さんは、股のぞきをすると実際よりものが小さく見える錯視の効果を実験で確かめ、足立浩平・大阪大教授とともに「知覚賞」を受賞。22日に米ハーバード大であった授賞式に出席した。 ゼミの前にあった報告会で東山さんは、研究に着手して論文が出るまで10年ほどかかったと述べ、「日本の学会で何度か発表したが無反応だった。欧州ではいっぱい人が集まり反響がすごかった」と話した。イグ・ノーベル賞については「科学の成果を皆で楽しく分かち合うという試み。どれだけ楽しませてわかりやすく説明するか試された」と語った。 東山教授による受賞記念公開講演会が10月20日午後4時半から同キャンパスで開かれ
2020年東京五輪・パラリンピックの関係団体長による調整会議が29日午前、文部科学省で開かれ、ボート・カヌー会場など3施設の建設見直しなどを訴える都政改革本部の調査チームの提言について、これまで施設整備計画を主導してきた大会組織委の森喜朗会長が、小池百合子都知事に慎重な判断をするよう求めた。 会議では小池知事が提言に触れ、「これが最後の見直しの機会ではないか。施設のあり方について調査チームの報告書を受けてしっかり検討したい。関係者とよく協議しながら『コストカット、アスリートファースト、レガシーの観点』でやりたい」とあいさつした。 一方、森会長は、現行計画が国内外の競技団体や国際オリンピック委員会(IOC)の承認を受けたものであることを説明。「ここ2年ほど、組織委はこの問題ばかりをやっていた。IOCの理事会や総会で全部決まっているのをひっくり返すのは極めて難しい」と反論した。会議後には記者団
昨年10月、18歳のアイドルが小児がんで亡くなった。東京・浅草の「花やしき少女歌劇団」の一員として歌手をめざしていた。右足の切断手術を受けたが、ステージではいすに座って歌った。少女が旅立ってから1年。死を前に残したさまざまな言葉が、10月から新しいステージに立つメンバーを励ましている。 9月25日、東京・浅草の老舗遊園地「浅草花やしき」内の小さなステージ。ここを拠点に活動する「花やしき少女歌劇団」(団員数32人)のメンバーが踊っていた。 「唯ちゃん、きっと見に来てるね」。後輩のステージを見に来た元メンバーの少女たちが話した。かつてこの輪の中心にいた木村唯さんの一周忌が、まもなく訪れる。 唯さんは小3で入団。中3の夏、足の痛みに襲われた。「横紋筋肉腫」というがんで、抗がん剤治療に耐え、高1の夏に右足の切断手術を受けた。生きる可能性を探り、ステージに戻るための決断だった。唯さんは入院中、母雅美
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