具体的な進化の方向性を紹介する前に、まずは統合管理ツールの定義について、改めて整理したい。 統合管理ツールがカバーする機能は大きく分けて図1のようになる。ベンダーごとに異なるが、少数の製品で幅広い機能を提供する場合もあれば、複数の単機能製品によって幅広い機能を提供する場合もある。 このうち基本となる機能は、サーバー機やOSといったシステムに関する情報収集や障害の早期発見を支援する「システム監視」と、ネットワークに関する情報収集や障害の早期発見を支援する「ネットワーク監視」である。システム監視機能では、CPU、メモリー、ディスクの利用状況が収集できる。監視対象の幅広さ(監視対象ハードウエアやソフトウエアの種類)と、きめ細かさ(監視する情報の豊富さ)をベンダー各社が競っており、最近は仮想化技術を利用するプライベートクラウド環境やパブリッククラウド環境への対応が盛んだ(詳しくは後述)。 さら