東日本大震災の余震による停電に伴って稼働した東北電力東通原子力発電所1号機(青森県東通村)の非常用ディーゼル発電機から燃料が漏れた故障について、東北電力は9日、部品の欠損が原因だったと発表した。 定期点検のときに組み立て方法を間違い、それがもとで欠損したとみている。 燃料循環ポンプ付近にある「オイルシール」と呼ばれるゴム製の部品が欠けていた。軽油はここから漏れ出し、約200リットルに及んでいた。 1号機は今年2月、定期点検に入り、発電機は協力会社が分解し、組み立て直した。東北電力は、組み立ての過程でオイルシールの表裏を逆につけたことが原因で欠損したと推定、「人為ミス」とみている。 1号機は7日夜の余震で外部電源をすべて喪失した。発電機が自動的に稼働して電力供給を続けたが、約14時間後に燃料漏れが見つかり停止した。そのときには外部電源は復活し、使用済み核燃料プールの冷却機能は保たれた。