秋が深まってきました。 今日の朝は冷え込みが厳しく、電車の座席にヒーターが入っていました。最近は空気がさえわたり、与野本町駅から見る夕焼けもひときわ鮮やかです。 最近、小林秀雄の「モオツァルト・無常ということ」(新潮文庫)を読み返しています。先日来、先生方の授業の見学をしているのですが、その時にふと、高校生の時の授業の思い出がよみがえったからです。 私が高校生の時に、国語の教科書に小林秀雄の「蘇我馬子の墓」(上掲「モオツァルト・無常ということ」に所収)の後ろ半分が載っていました。この文章の感想として、「大したことを言っていないのに、論旨を二転三転させたり、必要もない比喩を使ったり、読者を戸惑わせ煙に巻くことを狙ったつまらない文章だ」と述べたところ、国語の先生に「それは君に小林秀雄の思想を理解する力がないからだ」と言われたことがあります。「では、先生は理解されているのですか」と言いそうになり