サミットに合わせて、日本政府は「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を発足させた。 国連SDGsは、昨年終了した国連ミレニアム開発目標(MDGs)の後継プロジェクトとして、貧困や感染症の対策目標を定めている。 もちろん、そこに列挙されたような目標は、全人類が一致して取り組んでいくべきであることに異存はない。 日本も、そのなかでしかるべき役割を果たすことを、切に望んでいる。 しかし、一方で、SDGsそのものに問題がないわけではない。 主要な問題は、MDGsに比べて目標が野心的である(例えば、飢餓を「半減させる」と飢餓を「撲滅する」の難易度は、だいぶ違う)のに比べて、その手段は極めて限られている、ということにある。 そのため、SDGsは第一にイノベーション志向であり、第二にその財源を民間企業や自由貿易に期待する面が大きすぎる、ということになっているように思われる。 逆に、現在の世界経済の構