愛媛県愛南町の老人保健施設で入所女性をカッターナイフやはさみで刺し、別の入所女性の髪を引き抜き、2人を負傷させたとして、傷害罪に問われた同町の元パート介護職員久保佳子被告(27)に、松山地裁は15日、無罪(求刑懲役4年6月)の判決を言い渡した。 日野浩一郎裁判長は判決理由で、捜査段階における自白について「重要な点で客観事実と必ずしも整合しない。取り調べを穏やかにやり過ごしたい一心から、真犯人でないのに自白したとも理解できる」と指摘した。 自白の信用性は認められず、他の証拠に照らしても「被告が犯人と認定するには合理的疑いが残る」と判断した。