2017年の日本経済や金融市場はどんな展開になるだろうか、と考える時、殆どの人がトランプ次期米大統領の政策の影響を真っ先に思い浮かべるだろう。確かに国内にも安倍政権の安定性や日銀の長期金利コントロール力、賃金上昇の継続性、個人消費の回復力といった気になる要素は多々あるが、アベノミクスという政策支柱を失ったいま、海外情勢が日本を揺さぶる傾向は反転しそうにない。 さらに不確実性の高い「多変量市場」に 「トランポノミクス」の次には、重要な選挙が相次ぐ欧州の政治リスクが挙げられる。3月にはオランダ総選挙、4~5月にはフランス大統領選挙、9月にはドイツ総選挙が予定されており、イタリアも総選挙前倒しとなる可能性が高い。英国のEU離脱という面倒な話がどう展開するのかも、正直言って読めない。 新興国に目を向ければ、トランプ氏と「共鳴」しあうプーチン大統領は原油価格安定化という順風を受けてその覇権主義に磨き