はじめに【詩集『心象スケッチ 春と修羅(しゅら)』について】 『春と修羅』―――宮沢賢治が生前に唯一刊行した詩集です。けれども賢治自身は詩集と呼ばれることを好まず、あくまで「心象スケッチ」と呼んでいました。『春と修羅』は大正13(1924)年4月20日に、東京の関根書店から刊行されます。 自費出版で発行部数は1000部でした。製作期間は大正11(1922)から大正12(1923)にかけてで、つまり賢治が25歳から27歳までに書き留めた「心象スケッチ」の中から、賢治自身が選んだ69編の詩が収められています。 賢治は冒頭に序文を掲げ、どのような意図のもとにこれらの「心象スケッチ」を書いてきたのか記していますが、今回はこの『春と修羅』の序文を掲載したいと思います。 宮沢賢治『春と修羅』序・全文と解説【心象スケッチの意図!】 宮沢賢治(みやざわけんじ)とは? 宮沢賢治(作家・詩人1896~1933