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2009年10月12日のブックマーク (3件)

  • 「永遠の嘘をついてくれ」——「美しい国」と「無法者」の華麗なデュエット 後編 - 常野雄次郎(つねの・ゆうじろう)

    シリーズ:自由と強制と(無)責任の政治学 (前編からの続きです。) サルトルは、アルジェリア革命の闘士フランツ・ファノンによる『地に呪われたる者』への序文で、フランス国人の植民地支配に対する責任について語っている。当時のアルジェリアは、フランスの植民地だった。アルジェリアでの、「コロン」と呼ばれるヨーロッパ人入植者の暴虐非道ぶりは、フランス国でも既に知られていた。サルトルは、フランス人読者に告げた。 ……「だが、おれたちは<国>[=フランス]にいるんだ、[アルジェリアでの]行き過ぎを非難しているんだ」。そのとおりだ。君たちはコロンではない。だが似たり寄ったりだ。彼らは君の先駆者[パイオニア]なのだ。君たちはコロンを海外に送り出し、コロンは君たちを金持にした。もっとも君たちは彼らに予め警告していた。「あんまり血を流すと、お前らを否認せざるをえなくなるぞ」。これと同様に、国家はどんな国家

    yoghurt
    yoghurt 2009/10/12
  • (元)登校拒否系 - 「永遠の嘘をついてくれ」――「美しい国」と「無法者」の華麗なデュエット 前編

    『メメント』のあるシーンにおいて、主人公のレナード(ガイ・ピアーズ)は、自らの記憶障害についてモーテルのフロント係に説明する。 レナード:私には障害(コンディション)があるんだ。 フロント係:障害? レナード:記憶がないんだよ。 フロント係:記憶喪失か? レナード:いや、違う。短期記憶がないんだ。自分が誰なのかということはわかっているし、自分のことなら何でも知っている。だがケガを負って以来、新たには何も記憶することができないんだ。何もかもが消え果ててしまう。長く話しすぎると、話がどう始まったのか忘れてしまう。私たち[=ピアーズとフロント係]が前に会ったことがあるかどうかもわからないし、次に会ってもこの会話は覚えていないだろう。だから私がヘンに見えたり無礼だったりしたら、それはたぶん……。 [レナードはフロント係が珍虫を見るように彼を凝視していることに気づく。] レナード:前にも君にこの話を

    (元)登校拒否系 - 「永遠の嘘をついてくれ」――「美しい国」と「無法者」の華麗なデュエット 前編
    yoghurt
    yoghurt 2009/10/12
  • 侘びしきこと限りなし - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ

    今は昔、奈良の女子寮に背の低い一年生がいた。あるとき、先輩の女子大生たちが、宵のつれづれを持て余して「さあ、ロケットを作りましょう」と言ったのを、この一年生は(いいなあ)と思って、うっとり期待して聞いていた。そうかと言って、手伝うのも足手まといになるばかりであるし、(完成するのを待って起きているのも、悪いだろう)と思って、部屋の片隅に寄って、寝たふりをして、ロケットができあがるのを待っていたところ、もう作業を始めた様子で、みんな集まって騒いでいる。 一年生は、(きっと誰か先輩方のお一人が私を起こしてくださるだろう)と思って待っていると、ある先輩が、「やあやあ、一年生。起きなさい。ロケットができましたよ」と言うのを(うれしい)と思ったが、(たったの一ぺんだけで返事をすると、寝たふりして待っていたのかと先輩たちが思うかもしれない)と思って、(もう一ぺん呼ばれたら返事をしよう)とガマンして寝てい

    侘びしきこと限りなし - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ