[Simon Wren-Lewis, “How the media and politicians dumb down economics,” Mainly Macro, May 20, 2018] 経済学者がコミュニケーション技能を磨くのには大賛成だし、いま進行中のすぐれた改善計画もいくつかある。とはいえ、政治家とメディアがダメ経済学を世間に触れ回っていては、そんな努力も無に等しい。 なかでもとくに目につくのが、産出より雇用に注目してしまうことだ。そうするのが理にかなっている状況もある。いちばんわかりやすいのは景気後退が起きて失業率が高くなっている状況だ。この状況では、失業率を下げることに政策は傾注すべきだ。また、雇用の地理的な分布を考えるときにも、産出より雇用に注目するのは理にかなう。だが、失業率が低いときには、産出ではなく雇用に注目すると、非常に見当違いなことになってしまう。理由は単
