漫画「はだしのゲン」を、島根県松江市の全小中学校が、児童生徒らに自由に見られないようにする閉架措置としていたことが2週間ほど前から問題となっています。 「はだしのゲン」は、去年12月に亡くなった被爆者で漫画家の中沢啓治さんが、自らの被爆体験をもとに描いた作品です。1973年に週刊少年ジャンプで連載が開始されました。わたしも中学時代にリアルタイムで読んでいました。原爆により皮膚がドロドロになってさまよう人々やウジがわいてあちこちに放置された死体など、その表現が非常に衝撃的でした。 読んだ方はわかると思いますが、「はだしのゲン」は単に原爆の悲劇を描いた漫画ではありません。日本の加害性を明確にしています。 今回の騒動については広く報道されているので詳しく内容は繰り返しませんが、発端は昨年8月に一部の市民が「ありもしない日本軍の蛮行が描かれており、子どもたちに間違った歴史認識を植え付ける」として学