ロシアの軍事研究で知られる小泉悠・東大先端科学技術研究センター准教授が、ロシア、ウクライナ情勢について語った(3月15日開催の毎日新聞のオンラインイベントより)。【聞き手・真野森作】 3年目に入ったロシアによるウクライナ侵攻は今後どうなっていくのか。ロシアの軍事研究で知られる小泉悠さんにじっくりと聞きました。(全6回の第5回) 第1回・ロシア、ウクライナ、国際社会の誤算 第2回・核に抑止力はあるのか 第3回・「もしトラ」でウクライナはどうなる 第4回・プーチン「神通力」の弱点 第5回・欧米はロシアの「包摂」に失敗したのか 第6回・日本はウクライナへ武器を送るべきか ――日本は第二次大戦での敗北によって帝国ではなくなり、台湾や朝鮮半島、旧満州などを手放した。一方、大戦の勝者だったロシア(当時はソ連)には、かつて征服した土地の数々が今も領土として残っている。帝国的な思考は世論にも染みついている