現・論 佐藤信氏と歩く選挙の現場(上) ニュースの現場に識者と記者が足を運んで論考を深める「現・論(げん・ろん)」。若手政治学者の佐藤信さん(29)と10日、福島市に行き、自民党総裁の安倍晋三首相(63)による衆院選の第一声を聴きました。自民党を長く支援する人々が集まるなか、これからの政策よりも過去の業績を強調した演説と受け止めた佐藤さんは、政治家の言葉が有権者と政治との距離を近づけているのか、考えました。 ――福島市についたのは、9日深夜になりました。当初の想定よりも、かなり遅くなりました。 安倍首相は7月、東京・秋葉原での都議選遊説でヤジを浴び、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と対抗意識をむき出しにして批判されました。今回の衆院選では、反対勢力がまた会場に押しかけるのを嫌って、10月5~7日の街頭演説では日程を事前に公表しなかったと報じられています。街頭演説の場所を急きょ変更す
