ライトノベル、略して「ラノベ」。出版不況下で大躍進を続ける、このジャンルの定義はいささか難しい。 「対象は10、20歳代。キャラクター性に重きを置き、アニメや漫画のようなカバー、挿絵が付いた娯楽小説」が大まかなくくりだが、内容は様々だ。 ガイド本「このライトノベルがすごい!2012」(宝島社)は、1年間に出た1400超の作品から230を選び「いざ、冒険へ!」「恋がいっぱい」「愛しき日常」など12のキーワードで分類する。 推定販売金額は文庫に限ってみても2009年の257億円から11年には274億円に増えた(出版科学研究所調べ)。これは文庫全体の2割を占める金額だ。小学生や30歳代以上をターゲットにした新たなレーベルも刊行されている。 「このライト――」編集長、宇城卓秀さんは「古くは『ソノラマ文庫』(1975年創刊)などに同種の作りが見られる」とする。90年にブームとなったファンタジー「スレ