【竹内誠人】ライトノベル市場の最前線で、若い世代に圧倒的人気のシリーズ「ソードアート・オンライン(SAO)」。オリコン発表のラノベ年間売り上げランキングで、2年連続首位を走り続ける。作者の川原礫(れき)は、これまでに発表した小説「アクセル・ワールド」と合わせた累計発行部数が1250万と、ラノベの世界でも群を抜く。その素顔は、いたって謙虚でストイック。創作の裏側を聞いた。 「SAO」の舞台は、完全な仮想空間の実現化が可能となった2022年。同名のオンラインRPGゲームの仮想世界を楽しむ主人公は、ゲームを攻略しないと現実に戻れないと知り、戦いに身を投じていく。 着想は、もともと好きだったオンラインゲーム。ゲームに没頭する傍ら、自身の運営するホームページで小説を発表した。「当時は物語を書くのに全く迷いがなかった」。ひたすら書き続けるうちに、ネットの掲示板に感想が集まり始めた。2008年にラノベ新