東京・渋谷にあるFC琉球のオフィス。案内された部屋には、木製の仏像がデーンと鎮座していた。ほぼ等身大なので、間近で見るとなかなかの迫力である。何でもネパールを旅行中に購入して、ここまで運んできたのだそうだ。その強烈なバイタリティーが、今なお健在であることを強く実感する。仏像の持ち主の名は、フィリップ・トルシエ。元サッカー日本代表の監督であり、現在はJFL所属のFC琉球の総監督として、母国フランス、自宅があるモロッコ、そして東京と沖縄を行き来する日々が続いている。 かつては「赤鬼」とあだ名されたトルシエ氏だが、今ではすっかり物腰が柔らかい。それでも、抑揚のある言葉の奥底には、内に秘められた情熱がひしひしと伝わってくる。そんな氏には、聞いてみたいことが山ほどあった。現在の日本サッカー界のこと、Jリーグとそこでプレーする選手たちのこと、そして間もなくオランダ遠征に向かう日本代表のこと、などなど