母国ウクライナからバスで18時間。ポーランドのワルシャワで飛行機に乗り換え、WBA 世界フライ級王者アルテム・ダラキアンとプロモーターやトレーナーら8人の陣営は2日がかりで日本に辿り着いた。1月23日、ランキング1位のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)の挑戦を受けるためだ。 来日して2日後、メディアに向けて公開練習を行うため、チームダラキアンは都内のジムに姿を現した。 まず現在の調子を聞かれた王者は、 「まだ多少時差ぼけが残っていますがコンディションは悪くない。いまの日本の気候は僕にとってベストだし、日本食は減量に適しているうえにとても美味しいです」と質問者と通訳者の目を真っ直ぐ見ながら答えた。 その後の質問は、やはり戦時下にあるウクライナの状況や生活に集中した。 「——ご存じの通り、いまウクライナはとても厳しく辛い状況にあります。そういう状況下でも政府幹部の厚意と配慮で練習環境を整えてもらえて