本稿では, 社会運動史の視点から1960-70年代の「市民運動」「住民運動」がもっている歴史的な意味を再検証するとともに, それが近年の「市民社会」論に対して不可欠の問題提起を含んでいることを明らかにする.その際, 近年の社会運動研究の一部に存在する, 運動史の誤った「段階論」的理解を批判的に取り上げるとともに, 同時代の論議の場に差し戻して検証することで, その “誤り” が, 「公共性」「市民社会」を論じるあり方にもバイアスを与えていることを論じていきたい.その上で, これらの誤解の背後には, 社会運動理解の文脈の歴史的な断絶, 論議の中断が存在することを論じる.1960-70年代の社会運動がもっていた運動主体をめぐる論議の蓄積は, 今日の社会運動, また「市民社会」や「公共性」のあり方をめぐる論議の中で正当な評価を得ているとは必ずしも言い難い.この点につき本稿では, 当時の議論の水準
今後も長い戦いが予想される、新型コロナウイルスの問題。政府は、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下、「特措法」)に店舗や施設への営業停止命令を出せる法改正の検討に入っている。応じない場合に備えて罰則を付ける意見もある。感染拡大を防ぐ効果が期待できる一方、人権に対する懸念はないのか。宍戸常寿・東京大学教授(憲法学)に、特措法改正の論点について聞いた。(取材・文:神田憲行/Yahoo!ニュース 特集編集部) ――いま懸案のひとつになっているのが「接待を伴う飲食店」、要はキャバクラ、ホストクラブなどで起きたクラスター感染です。政府はそのような業態の店舗営業を念頭に、「営業の停止命令」を考えているようです。しかし「営業の自由」は憲法29条の財産権に当たります。停止命令は人権侵害にならないのでしょうか。 「一般論として、営業停止は公共の福祉のために必要かつ合理的な理由があればできます。たとえば食
なぜ、本を読むのか? Why do we need to read books なぜ、本を読むのか?本書『読書人カレッジ2022』の執筆者の一人である明石健五は、それを「考えるため」であると言います。 ある未知のものに出会ったとき、そこに驚きと感動が生まれる。そうして、初めて自分なりに思考することができ、それを人に伝えることができるようにもなる。 そういう過程を生きられる人のことを、「知性ある人」というのではないか。では、「知性」を自らのものにするためにはどうすればいいのか。繰り返しになりますが、「読み」「考え」「書く」ことを通してしか感得できないのではないか。 新しい出来事や局面に出会い、答えのない問題を考えることで鍛えられていくものが、確かにある。そういう問題は、すぐれた本の中にいくつも見つけることができます。 繰り返し考えることによって、自分の思考を鍛えていく。それによって、今の世の
2019.11.01 ダムと高速道路が海を変えた? 小田原の海と魚を見守ってきた老舗かまぼこ店の女将の言葉 神奈川県小田原市には、10軒以上のかまぼこ店があり、中でも全国的に有名なのが「鈴廣かまぼこ」。 かまぼこは基本的に、魚と水と塩だけでつくられるシンプルでヘルシーな食べ物。鈴廣のかまぼこは、保存料や化学調味料を使わないのが特徴です。 さらに鈴廣は、「かながわプラごみゼロ宣言」への賛同や、再生可能エネルギーへの取り組みなど、環境活動やSDGsに関連した活動も積極的に行っています。 そういった環境活動を行うきっかけのひとつは、ダムや高速道路の開発によってもたらされた、小田原の海や漁業の変化でした。 人々がより便利で豊かな暮らしを求めた結果、海はどう変わったのか? その変化によって、鈴廣は何を考えて、何をしているのか。会長である鈴木智恵子さんにお聞きしました。 大きなブリが獲れなくなったふた
流血当日「対中非難限界」 人権意識低い外交―天安門事件文書 2020年09月20日07時40分 宇野宗佑元首相=1989年7月、東京 中国人民解放軍が市民に発砲し、北京市街が流血の惨事に見舞われた天安門事件。事件当日の1989年6月4日、東京の外務省は早くも「我々の対中国非難にも自ら限界あり」と明記した文書を作成していた。中国対応が焦点となった同年7月中旬の仏アルシュ・サミット(先進7カ国首脳会議)に至るまでの外交文書を読むと、「中国を孤立させない」外交を優先し、人権意識の低さが際立った。 「人権軽視外交」検証を 天安門事件外交文書 ◇「中国の国内問題」 6月4日付文書「中国情勢に対するわが国の立場(主として西側向け)」。武力鎮圧で多数の死傷者が出たことに「人道的見地から容認出来ない」としつつ「我々とは政治社会体制及び価値観を異にする中国の国内問題。従って、我々の対中国非難にも自ら限界あり
大津市での中型自動運転バスの実証走路と事案発生箇所=出典:産総研プレスリリース産業技術総合研究所(産総研)は2020年9月17日までに、滋賀県大津市内で実証中の自動運転バスが路肩の柵に接触した事案について、調査結果と対策を公表した。 接触は手動運転中に発生したもので、産総研は今後、操舵量の大きい箇所などを注意箇所としてあらかじめ手動運転を行う区間に指定するなど防止策を講じている。 ■実証及び接触事案の概要は?実証は、経済産業省および国土交通省の事業「高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」の一環で、産総研が幹事機関、大津市と京阪バスが運行事業者を務め、大津市内を自動運転バスで有料運行するもの。実証期間は2020年7月12日から9月27日となっている。 使用するバスは先進モビリティが改造した
理系の定番ツール「LaTeX」がクラウドで!? みなさんは「Cloud LaTeX(クラウド・ラテフ https://cloudlatex.io/)」というWEBサービスをご存じでしょうか? ブラウザ上で文書を作成できるサービス、と言ってしまうとよくあるツールのように聞こえますが、理系にとってはおなじみの「LaTeX」を簡単に使えるようにしてくれるすごいサービスなのです。 「LaTeX(ラテック or ラテフなどと読みます)」とは、理系分野の論文執筆などによく使われている組版システムです。これは非常に高機能なシステムで、高品質な文書を作成できることが知られており、ブルーバックスにもLaTeXで組版されている本が何冊もあります。 LaTeXは何がすごいのか? 特長のひとつは数式の表現が得意だということです。レポートを書いていて、数式が入力できず困った、他の部分と大きさが微妙にずれてかっこ悪い
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