◇最後に主文は「無罪」 【ソウル大貫智子】大方の予想を覆し、判決は無罪だった。外国メディアによる韓国国家元首に対する名誉毀損(きそん)罪の成否を問う産経新聞の前ソウル支局長をめぐる事件。ソウル中央地裁は17日、加藤達也前支局長(49)はコラムで書いた内容は虚偽と認識しており、韓国国民として同意しがたいと再三強調しつつ、公人に対する言論の自由を広く認めた。 「無罪」。3時間にわたる判決文読み上げの最後に主文が言い渡されると、日韓両国のメディアで傍聴席が満席だった法廷は、驚きで一瞬時間が止まったように固まった。 李東根(イ・ドングン)裁判長は、判決文の前半でコラムの内容が虚偽だったと断定。「(記事で言及した)うわさの存在自体は確認した」との弁護側の主張も退けた。傍聴していた日本人の間に、無罪判決の見方が強まったのは、後半に入り、公職者に対する報道の自由は広く認められるべきだとの判断が示さ