「大丈夫、すぐ騎士団が来てくれるから」 「うん……がんばる。イスラのためだもんね」 彼女は決意を込めた表情で、彼を振り向いた。 ふたり、目を合わせて頷く。覚悟はできている。 大好きなイスラのために。 空の果てを探す帰る保証のない旅に、飛空士を目指す少年少女が乗り込んで……元皇子にして革命によりすべてを失ったカルエルと革命の旗印となった少女・ニナの出会いが見せる愛憎劇の第三弾。今回は、空飛ぶ島イスラで「聖泉」にたどり着いたものの、そこへ「空の一族」がやってきて……。 涙なくして読めなかった。 飛空士を目指す少年少女たちが、厳しい訓練を経て、日に日にたくましく、クラスメイトたちとの絆を深めていって、空を飛ぶあこがれを胸に温めていく序盤が、とても素敵なだけに、そこから始まる戦争への不安に、ドキドキしていたんですが……。ああ、やはり悲劇は起きるのか。 空を飛びたい、その思いだけでは許されず