大手映画会社が製作したさまざまな洋画、邦画が正月映画として全国各地のスクリーンで上映されるなか、ミニシアターでの上映から始まった独立系アニメ作品『この世界の片隅に』が前代未聞のヒットを記録している。2016年11月のスタート時の上映館数は63館だったが、各館が満席になったり立ち見が出たりと、そのあまりの人気ぶりに全国の映画館から上映依頼が殺到。2017年1月上旬には一気に50館が追加され、累計上映館数は約200館と、当初の3倍に急増する。独立系映画がなぜメジャー級のヒットを記録しているのか。ヒットの大きな要因の一つであるクラウドファンディングの活用をどのように成功させたのか。制作を統括し、クラウドファンディングを仕掛けたGENCOの真木太郎プロデューサーに、その全貌を聞いた。 『この世界の片隅に』は太平洋戦争時の軍港だった広島の呉を舞台に、10代の主婦である主人公のすずとその家族が過ごした