9月2日、日経新聞は、日立製作所が英国で建設する原発の建設資金(銀行融資)を、日本貿易保険が全額補償する旨を報道した(「政府、原発融資を全額補償 まず英の2基 貿易保険で邦銀に」)。そんなことがあり得るのか。事実関係を追った。 原発輸出リスクを政府が丸抱えか? 元々、貿易保険は、政情不安な途上国に輸出する日本企業の海外展開を応援する制度だった。英国はそのようなカントリーリスクを持つ国ではない。また、先進国でのビジネスで経営破綻リスクが先方にあるなら、そのリクスは日立や、融資を決める銀行が負うべきものだ。原発ビジネスがリスキーであることが東芝の失敗、とりわけ海外原発事業からの撤退で証明された今は、なおさらだ。 もし、今回の報道が本当なら、日立が東芝の二の舞となりえるリスクを国民が丸抱えして、原発輸出を促進するという話である。日本貿易保険は政府が全額を出資(約1694億円)、つまり、国民の税金