7月11日にスペイン・バルセロナで開催されたアウディ・サミットでついにベールを脱いだ新型アウディ『A8』。シャシー系を中心に様々な新機軸が盛り込まれたこの次世代ラグジュアリー・サルーンに世界初の自動運転技術「レベル3」(ただし条件付き)が搭載されることは既報のとおり。 もっとも「レベル3は高速道路で主にハンドル、アクセル、ブレーキをコントロールする自動化システム」と聞けば、すでに量産化されているレベル2といったい何が違うのかという疑問を抱く読者も少なくないだろう。しかし、レベル3には自動車と人間の関わりを根本的に変えてしまう命題が含まれており、これを実用化するには技術面だけでなく、法学や哲学的な見地からの検討さえ必要となる。ここでは、レベル3の難しさと、レベル3を実現したアウディA8が登場した価値と意義について考えてみよう。 ◆自動運転の“レベル付け” まずは自動運転の“レベル付け”に関し