JR東海が2014年度着工を目指すリニア中央新幹線で、南アルプス貫通の長大トンネル(長さ20キロ程度)を長野、山梨両県側からだけでなく、静岡県内の中間地点付近からも掘削する計画を進めていることが18日、分かった。「斜坑」と呼ばれる作業坑を設け、本坑の途中から長野、山梨両方面に向けて掘削。最高難度の掘削技術を要する地質を踏まえ、27年の東京−名古屋間開業に向けて工期短縮を図る狙いだ。 JR東海は同日、国土交通大臣による中央新幹線の営業主体・建設主体の指名に同意する文書を国交省に送付。国交相は来週中にも、南ア貫通のCルートを記した整備計画を決定する見通し。同社は、静岡県など地元関係者の協力を得て斜坑掘削に取りかかりたい考えで、既に環境影響評価(アセスメント)手続きなどに向けた調整を始めている。 南ア中南部は、大井川源流部の静岡市最北部がくさび形に食い込み、南ア山系に囲まれ谷間のような地形を