花巻市高松の宮沢賢治イーハトーブ館(杉浦静館長)で、2匹の猫が来館者を出迎えている。もともとは捨て猫で、スタッフが4月に保護して以来、すみついた。賢治は「猫の事務所」など猫が登場する作品を多く書いており、賢治作品の絵本などを販売しているイーハトーブ館の関係者は、来館者を呼ぶ「招き猫」として期待している。 いずれも雄で、名前は毛色に白と黒が交じるのが「シロクロ」。尾が短くトラ模様なのが「トラ」。スタッフが名付けた。2匹とも穏やかな性格で、いつも一緒だ。最近は日中は館内、夜は今は使っていないプレハブ小屋で暮らしている。 同館に事務局を置く宮沢賢治学会の小原敏男事務局長は「賢治作品と猫とのつながりは深く、2匹の猫はこの館の『生きたシンボル』になってきている」と新たなアイドル誕生を期待している。 宮沢賢治イーハトーブ館は午前8時半から午後5時まで。休館は28日から来年1月1日。入館無料。 【写真=