《この記事は約 11 分で読めます(1分で600字計算)》 HON.jp News Blog 編集長の鷹野が、2019年の年初に書いた出版関連動向予想を検証しつつ、2019年を振り返ります。 2019年概況 まず、2019年の概況から。出版科学研究所が年末に発表した2019年通年の紙の出版物推定販売額は、1兆2400億円という予測になっています。コミックスを含む雑誌は5600億円前後、書籍は6800億円弱で、書籍と雑誌の販売額差は1200億円程度にまで広がっています。 雑誌市場のピークは1997年の1兆5644億円で、約3分の1に。書籍市場のピークは1996年の1兆0931億円で、約3分の2になっています。また、金額返品率は1月から11月の累計で書籍が35.9%(0.5ポイント減)、雑誌が43.3%(0.8ポイント減)と、2018年よりは改善しています。 なお、ここまでの数字はすべて伝統的
《この記事は約 13 分で読めます(1分で600字計算)》 株式会社Jコミックテラスが運営する「マンガ図書館Z」は、過去に実業之日本社から出版された作品で、現時点では紙・電子ともに販売されていないものを収集、無料配信する実証実験を2018年8月から開始した(発表時の記事)。実験開始から数カ月経った時点で、取締役会長でマンガ家の赤松健氏と佐藤美佳氏(現:Jコミックテラス代表取締役社長)に、改めて話を伺った。 作家への連絡はすべて「封書」で ―― まず、作品数など、実証実験の進捗についてお聞かせください。 佐藤 現状で106作品が集まってきており、許諾がおりて公開に至っているのが33冊です。(編注:2018年10月18日時点の数字) 赤松 意外だったのが、辻真先先生や赤松光夫先生のようなご高齢の作家の方が許諾をしてくださったことです。 ―― 連絡はメールなどではないわけですよね? お電話とか?
《この記事は約 3 分で読めます》 2019年3月期の書籍雑誌推定販売金額は1521億円で、前年比6.4%減 ―― この数字は、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所から毎月発行されている「出版月報」の、本稿執筆時点で最新号である2019年4月号に掲載されている。本稿では、この数字がなにを示しているのかを、再確認しよう。 出版月報の表2には「注釈事項」として、次のようなことが明記されている。 この統計は、取次ルート(弘済会・即売卸売業者を含む)を経由した出版物を対象にその流通動態を推計したもので、日本の全出版物を対象にしたものではない。したがって、直販ルート(一部の雑誌を除く)の出版物は含まない。 たとえば、日経BP社「日経ビジネス」はABC部数で約18万部のビジネス誌だが、その多くが定期購読であり、取次ルートは経由していない。出版社のディスカヴァー・トゥエンティワンは、書店と直接取引を
《この記事は約 3 分で読めます(1分で600字計算)》 マンガ家コミュニティ「コルクBooks」を運営する株式会社コルクは2月27日、同サービスに新機能「マンガのお仕事依頼」をリリースした。これはどんなサービスなのか? また、どのような狙いがあるのだろうか? ジャーナリスト・まつもとあつし氏によるコラム。 クリエイターエージェント事業を手がけるコルクは2月27日、新しいサービスをリリースした。もともと、マンガ家コミュニティ「コルクBooks」を展開していたが、ここに、「マンガのお仕事依頼」なる機能を追加したのだ。サイトの冒頭には〈参考価格〉が掲げられているが、他の広告マンガ制作サービスと比較してリーズナブルな値付けとなっている。 電子書籍やソーシャルメディアでの拡散など、マンガのデジタル化やネットワーク化が進む中、その訴求力に企業も注目している。そのニーズに応えるサービスは、これまでも存
これまでは合法だった行為が違法になる いま検討されている著作権法の改正を簡単に説明すると、要するに「これまでは合法だった行為が違法になる」ということだ。著作権者には、自分の著作物を他人が勝手に利用するのを、差し止める権利がある。しかし、私的使用のための複製は著作権法第30条で認められており、たとえばインターネット上にあるテキストや画像を勝手にダウンロードしても、それは合法である。 さらに、2012年の法改正によって、違法にアップロードされた「有償」で提供されている映像や音声のファイルをダウンロードする行為には、刑事罰が科されることになった。なお、この刑事罰化以降、これまでのところ摘発された事例は1つもない。 なお、合法なのはあくまで個人や家庭内など「私的」な範囲に限定されており、たとえば会社で新聞や書籍などを勝手にコピーするのは本来、違法だ。そのため、許可をまとめて簡単に取れる、日本複製権
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く