村上春樹の『1973年のピンボール』を読んだのは高校生のときだったので、もう10年以上も前です。 当時読んだ感想を覚えている限りで率直にいえば、この小説は正直何も面白くなかった。ただ私の読解力がなかったといえばそれまでですが、だってめちゃくちゃ読みにくいし、その読みにくさを我慢してまで読み解かなければいけない何かがあるようには、高校生の私には到底思えなかったのです。 が、「今読み返すとどうなんだろう?」とちょっとした好奇心を抱いてしまったので、10年経った今もう一度読んでみました。結論からいうと、面白いか面白くないかでいえば、やっぱりあんまり面白くなかった。だけどせっかく読み直したので、10年前にはできなかったこの小説における「謎解き」を今、やってみようと思います。 ちなみに、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』を10年ぶりに読み返した感想も昔に書いています。 aniram-czech.h