気象庁が全国にある測候所の無人化を進める中、施設周辺の環境が荒れ始めていると懸念する声が専門家から上がっている。 草木が生い茂り、風速や気温の観測データに微妙な影響を与える恐れもあるという。環境整備を訴える専門家に共感し、木の伐採など自主的な対策に乗り出す自治体も出てきた。 測候所の無人化は、国の公務員削減の一環として1996年から始まった。全国で96あった測候所のうち、これまでに富士山頂の富士山測候所などが無人化され、今年も潮岬測候所(和歌山県)などが対象になった。来年度中に残る8か所の無人化が完了する見通しで、気象庁は「無人化後も施設の定期点検を行っており、観測には影響しない」としている。 しかし、気象学が専門の近藤純正・東北大名誉教授(76)(神奈川県平塚市在住)が、各地の無人化した測候所を訪ねて歩いたところ、周辺に雑草が生えて荒れ放題の施設が目立った。無人化された測候所は、観測機器