「田布施(たぶせ)システム」。こんな言葉をご存じだろうか。幕末の動乱期、長州藩(現山口県)田布施村の若者、大室(おおむろ)寅之祐(とらのすけ)が陰謀によって明治天皇にすり替わるという典型的な「陰謀論」である。もちろん決定的な物証もなければ、裏付ける資料は何一つない。ところが意外と田布施システムの信奉者は多く、中には政治家、著名人もいる。何が彼らを惹きつけるのか。また一体、田布施システムとは何か? 現地取材を通してこの壮大な陰謀論の正体に迫った。 陰謀論の町、田布施 山口県熊毛(くまげ)郡田布施町。同県南東部の一自治体に過ぎないこの町にとてつもない陰謀が隠されているという。それが「田布施システム」なのだ。もともと「田布施システム」という言葉自体が存在しているわけではない。陰謀論好きな人々やインターネットユーザーらによって作られた「造語」である。だから決して「田布施システム」という正式な用語が
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