大阪府岬町の深日(ふけ)漁港に3年前から居着き、アイドル的存在になっていたイルカが大けがをしているのを地元の漁師が見つけた。船のスクリューと接触した可能性がある。命にかかわる恐れもあるが、見守る以外に手の施しようがない。漁師らは「なんとか回復してほしい」と祈っている。 「どうしたんや」。今月26日朝、漁港から船を出した漁師の中出政和さん(59)は息をのんだ。いつもはエンジン音が聞こえると寄ってくるイルカの「ルカ」が、沖合のブイのそばでじっと浮かんでいた。 背びれの後ろに2カ所の切り傷があり、1カ所は動くと皮がめくれ上がるような深さだった。 「助けたってくれ!」。中出さんが深日漁協に電話。元府立環境農林水産総合研究所主任研究員の鍋島靖信さん(65)や海遊館(大阪市港区)のスタッフらが駆けつけた。 ルカは、ミナミハンドウイルカのオスとみられ、体重は300キロを超える。人なつこいとはいえ、治療す