ネット上にアイヌ民族を侮辱する内容の投稿をした問題で、9月に札幌法務局から人権侵犯の事実があったと認定された自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国)は11日、アイヌ民族に対する侮辱や差別をしたとの認識は「全くない」と述べた。議員辞職も否定した。党本部で記者団の取材に答えた。9月末に党環境部会長代理に就任した杉田氏は、同日の環境部会などの合同会議に出席後、党本部を出るまでの約2分間、時折苦笑いを浮かべつつ、歩きながら質問に応じた。(大野暢子、中根政人)
「日本で生まれ育った私に、どこに帰れと…」在日コリアンへのヘイト投稿を問う訴訟、10月に判決 焦点は「帰れ」の違法性 インターネットのブログに「祖国へ帰れ」と差別投稿をされた上、4年以上にわたる誹謗(ひぼう)中傷で精神的苦痛を受けたとして、川崎市の在日コリアン女性が起こした損害賠償請求訴訟が7月、横浜地裁川崎支部で結審した。焦点となるのは「帰れ」という排除の言葉の違法性だ。10月の判決を前に、裁判所に意見書として提出された49人の声から、戦後も「帰れ」と言われ続けてきた朝鮮半島ルーツの人々の苦悩を追った。(安藤恭子) 訴訟を起こした女性は在日3世の崔江以子(チェカンイヂャ)さん(50)。「ハゲタカ」と名乗る茨城県の男性を相手に、305万円の損害賠償を求めている。訴状によると、男性は2016年6月、崔さんを名指ししたタイトルで「日本国に仇(あだ)なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」と投稿。崔さ
みずほフィナンシャルグループ(FG)の木原正裕社長(56)は本紙のインタビューで、顧客に影響の大きいシステム障害が今後発生した場合には、障害を把握してから「1時間以内に連絡が来る。部長レベルの会議もやる」と述べた。昨年2月の障害発生時に前社長らの把握が遅れたことについては、「僕にはメールも来るし重要なものは電話も来る」として、現在は改善したと説明した。(皆川剛)
無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
腹筋を鍛える運動器具「ワンダーコア」を使用中に死亡したのは器具の欠陥が原因として、名古屋市の男性=当時(46)=の親族女性が、ワンダーコアの輸入販売会社「オークローンマーケティング」(同市)に七千万円の損害賠償を求め、名古屋地裁に提訴した。提訴は十四日付。 訴状によると、男性は昨年五月九日未明、自宅でワンダーコアを使用中、首につけていたネックレス二本が、器具のヘッドレストか背もたれ部分のピンに引っかかり、首を締め付けられて窒息死した。
築地市場(東京都中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要な建物下に盛り土がされていなかった問題で、石原慎太郎氏が都知事在任中の二〇〇八年、地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かった。長所として工費の安さや工期の短さを挙げていた。土壌汚染対策を検討する専門家会議の盛り土案に反し、都が地下空間案を採用した判断に、石原氏の意見が影響したかどうか、解明が進むことになりそうだ。 (中沢誠、中山高志) 専門家会議は〇七年五月、ベンゼンで土壌が汚染されていた豊洲市場の地下利用について「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘。〇八年五月十九日、土を入れ替えて盛り土にする方針を決定した。 しかし、石原氏は〇八年五月三十日の都知事の定例会見で、海洋工学の専門家がインターネットで「もっと違う発想でものを考えたらどうだ」と述べていると紹介。土を
街のどこにも本屋さんがない。そんな市町村が増えている。首都圏でも、筑波研究学園都市に隣接する茨城県つくばみらい市が、全国に四つある「書店ゼロの市」の一つに。一方、北海道留萌(るもい)市では官民一体となって書店を誘致し、ゼロから抜け出すなど、新しい動きも出始めている。 (中村陽子、写真も) 「本をどこで買いますか?」。つくばみらい市内のつくばエクスプレス(TX)「みらい平」駅前。立ち話をしていた三十代の主婦二人に質問すると「ないんですよ、本屋さんが」と、顔を見合わせてうなずいた。「引っ越してきてびっくりしました。大の読書家の夫は、車で隣の守谷市まで買いに行ってます」 二〇〇六年に伊奈町と谷和原村が合併したつくばみらい市。みらい平駅から都心の秋葉原駅まで、〇五年に開通したTXで最速四十分というアクセスの良さもあり、六年間で人口が一割以上増えて四万六千人余になった。ところが近隣の市に大型書店がで
東京都大田区で昨年八月に起きた資産家の女性殺害事件をめぐり、警視庁がホームレスら約五百人からDNAを任意採取していた問題で、中井洽(ひろし)・国家公安委員長は二十六日、本紙のインタビューに応じ、DNA捜査の活用には「立法化もいずれ考えなければいけないが、当面は警察内のルールで運用する」との認識を示した。 DNAの採取は刑事訴訟法の規定を根拠とし、DNA型のデータベースは国家公安委員会の規則や通達で運用している。DNAを明記して取り扱いを定めた法律はない。 中井委員長は、五百人からDNAを採取した警視庁の捜査について「この程度の捜査はする。(五百人が)多いと言われたら、捜査はできない」とし、警察内のルールで可能なDNA捜査は積極的に進めるべきだとの考えを示した。
「メモを取らないでください」。裁判員裁判の法廷では、裁判長がそんな注意を裁判員に促すことになりそうだ。「見て聞いて分かる裁判」のはずだからメモは不要というのがその理由。裁判官と裁判員が評議の場で被告や証人らの発言内容を確かめる手段も収録映像に限られ、文字情報は提供されないという。「あいまいな記憶だけでは、公正な判断はできない。正確に記録した文字情報が不可欠だ」との声が弁護士から出ている。 最高裁によると、全国で行った模擬裁判を検証したところ、裁判員が法廷でメモを取ることについて消極的な裁判官が大半を占めた。理由は、(1)目の前のやりとりに気が回らなくなる恐れがある(2)やりとりを忘れても評議の際に映像で確認できる−だった。 法廷には、カメラとマイクで発言内容とその様子を録音・録画する音声認識システムが設置される。キーワードや発言者を入力して検索すると、知りたい発言部分が映像と文字で再生でき
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