発電しながら消費した以上の燃料を生み出す“夢の原子炉”計画は道半ばで挫折するのか-。大量の機器点検漏れなど安全上の重大なミスが発覚したのをきっかけに、原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けた高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。運用する日本原子力研究開発機構は所管の文部科学省と一丸で組織・体制の抜本的な立て直しを図ることになり、10月1日から1年間の「集中改革期間」をスタートさせた。しかし地元には改革断行へ向けた覚悟がいまひとつ伝わらない。信頼と期待を裏切り続けてきた原子力機構の体質は果たして変わるのだろうか。(福井支局 矢田幸己) 改革初日に開き直り発言 「もんじゅが長く止まったトラブルの原因を精査すると、機器の設計時に原因があった。設計時にトラブルの種が埋め込まれると、作業員が一生懸命やっても(トラブルが)起こるまでわからない」 集中改革期間がスタートした1日、原子力機構