今回ピックアップする『始まりのダンジョン』は、文字通り“始まる”ダンジョンが舞台のゲームだ。 舞台となるのは「アンスナック」という村の奥にある廃坑道。そこを探索し、目的を達成することで物語が「始まる」のである。 「なるほど。つまり、始まることで本格的な大きな物語が描かれていくのですね?」「複数の物語を楽しめるゲームということか?」と考えるかもしれない。 しかし実際は、そんな物語が描かれることはない。始まるだけなのだ。大事なことなので繰り返そう。始まるだけである。 始まった先には始まりしかない。それが本作『始まりのダンジョン』の正体なのだ。 「……なんのこっちゃ?」と思われるだろうが、本当に重要なことなので改めて説明しよう。ダンジョンを探索し、目的を達成しても始まるだけである。「終わり」ではなく「始まり」。それが本作なのだ。 新米自警団員の物語は、廃坑道に現れた魔獣退治を果たすことによって本
