友達に恋人ができた。 仕事中にiPhoneの通知が鳴り、「お!飲みのお誘いかな?」なんて能天気なことを考えながら開いてみると、「恋人ができました」と予想の斜め上、全く考えもしなかった情報が目の前に飛び込んできた。 たった2文、かつ30文字程度の文章だった。しかし言葉というのは不思議なもので、こんなにもわずかな情報で私にダメージを与えるのかと、仕事の内容が全て吹き飛んでしまうほどの衝撃を受けるのかと、思った。 この一瞬のダメージや、衝撃、その他私の中に湧き上がる複雑な全ての感情が「恋」とか「恋愛感情」という分かりやすく名前の付いたものだったらよかったのに。あるいは、「なんであの人に恋人ができて、私にはできないんだろう」とか「私よりも幸せに見える人間が許せない」とか、そういう誰相手にでもできる幼稚で安い嫉妬や恨み辛みでもいい。 しかし、はっきりと名前の付けられそうな感情を私の中から一生懸命に絞