6月14日(ブルームバーグ):欧州首脳の間の緊張が表面化しつつある。ユーロ圏のファイアウオール(金融防火壁)を乗り越えて広がる恐れが出てきている欧州債務危機に対し、欧州首脳の打ち出した対応策は債券投資家から評価されず、国債利回りは依然高止まりしている。 ショイブレ独財務相はドイツ誌シュテルンとのインタビューで「ギリシャのヨット・オーナーたちのことを考えれば、同国の最低賃金を引き下げるのは容易ではない」と発言し、スペインのラホイ首相は国債購入を拒んでいる欧州中央銀行(ECB)と「闘う」と宣言。オーストリアのフェクター財務相は、イタリアが支援を必要とするだろうとの発言を撤回した。スペインは、欧州からの1000億ユーロ(約10兆円)の銀行支援資金を金融システムの整理・淘汰(とうた)に使うべきだとしたフィンランド政府の助言に反発、といった具合だ。 17日のギリシャ再選挙が近づく中で、欧州首脳間