ある媒体に長いものを寄稿した。かなり特殊な媒体なので目に届かないだろうから、ここに転載する。 「現代教育や技術者および人材育成の問題点・改善点」についての寄稿を求められた。 長く教壇に立ち、自分の道場で門人を育成してきた立場から「教育」については経験的に言えることがある。大学と道場では「管理者」という立場にあったので、「組織論」についてもいささかの私見はある。ただ、教育論も組織論も私が語ってきたのは「かなり変な話」である。私としては経験に裏づけられた知見のつもりでいるけれども、残念ながらどちらについても今の日本社会には同意してくれる人が少ない。だから、以下の文章を読まれる方は、それが少数意見であって、日本社会の常識には登録されていないものであるということをあらかじめご了承願いたい。 学校教育についてまず申し上げたいのは、学校というのは「子どもたちの市民的成熟を支援するための制度」であって、