1.問題の所在とその背景 2.インターネットと排外主義――関連先行研究 3.調査の概要と排外/反排外意識に関する尺度構成 4.分析の方法――双方向因果モデル 5.分析に用いる変数 6.分析結果 7.結論と今後の課題 注 / 参考文献 要旨 日本では、二〇〇〇年代に入ってインターネット上で排外主義的な言説が急速な広がりをみせ、ネット右翼を母体とする「在特会」のようなヘイト団体の活動が深刻な社会問題となるに至った。インターネットが排外主義者を結びつけ、活動を促進させる触媒の役割をはたすことは、先行研究でも確認されている。しかしながら、そうした一部の活動家集団だけでなく、一般層に対しても、ネット利用は排外意識を高めるような因果的作用をおよぼすのだろうか。このことを計量的な社会調査データをもとに分析した検証例はきわめて少ないうえに、それらもネット利用と排外意識が正の相関をもつことを見いだしたにとど