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『羅生門』 とはどのような小説か? と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。 失業した下人が、死人の髪の毛を抜いている老婆に出会い、自らもまた老婆の着物を盗む話。 ――と答える人がほとんどではないだろうか。なるほど、ストーリーはそのとおりだ。そして、それだけなのである。主人公の下人が盗みを働くまでの心境が書かれているけれども、「饑死をするか盗人になるか」 という極端な選択は短絡的すぎるし、読者にとっては何の驚きも教訓もなく、正直どうでもいい話なのだ。 だが、ここで下人という人物がどんな風に描かれているか、もう一度読み返してみることにしたい。 ※強調部は引用者による。 下人は七段ある石段の一番上の段に、洗いざらした紺の襖(あお)の尻を据えて、右の頬に出来た、大きな面皰(にきび)を気にしながら、ぼんやり、雨のふるのを眺めていた。 それから、何分かの後である。羅生門の楼の上へ出る、幅の広い梯子
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