インドを中心とするアジア地域に受け継がれている、アーユルヴェーダ。 薬草の種類があまりに多く、国際特許分類が新設されるまでに至っているほどですが、これとは別にもうひとつ、伝統医療の国際化には非常に厄介な問題が絡んでいます。 それは、「翻訳」です。 ここで、アーユルヴェーダと翻訳の関係に焦点をあてた論文から、一節を抜粋します。 (※IPCが新設された経緯も、同じ論文の中に出てきます。) Dwarkanath はこうした翻訳を試みる一方で,「アーユルヴェーダの概念を西洋科学の概念へ無理矢理翻訳することによって,歪曲するべきではない」と考えていた。例えば彼は, dosa を humor (体液)19) と翻訳し,それぞれ kapha を phlegm (粘液),pitta を bile (胆液),vāta を wind (風) とした P. G. Roy に疑義を唱えた20)。Dwarkanat