名古屋高裁で、電車にはねられ死亡した認知症の91歳男性の遺族に、振り替え輸送代など損害賠償359万円の支払いを命ずる判決が下された。 事故は2007年、愛知県大府市で発生した。当時、認知症が進んだ男性は要介護4で、要介護1の妻(91)と2人暮らし。横浜市に住む長男の妻が男性の自宅近くに移り住み、手分けして在宅介護をしていた。男性はデイサービスから帰宅した夕方、長男の妻が屋外で片付けをし、自分の妻がまどろんだ間に外に出て徘徊中に事故に遭った。 判決などによれば、電車事故の前にも2回、男性は徘徊で保護され、家族は自宅玄関にセンサーを設置したり、警察に連絡先を伝えたりしていた。また、男性が外出したがった際は長男の妻が付き添い、気が済むまで一緒に歩くこともあったという。 http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/85676 裁