ルンペン放浪記

ルンペン放浪記病に倒れて以来、『ルンペン放浪記』はやめて別のタイトルにしようと思ったが思いつかず、ただ単に日々の想いを、ここに綴って置くことにした。 47歳で自殺した清岡のことをあれこれ思い出していた。 高校時代の同級生で、中村市下田という海寄りの村から高知市内にアパートを借り、学芸高校に通っていた大きな材木屋の倅で、浅黒くって、ひょうひょうとしていて、勉強はともかくマラソンだけはぶっちぎりで、だれも寄せつけなかった。 それが私が大学の2年か3年の時、中村市に転居し、それが縁である夏、金持ちというのはそんなところで飲んでいるのか、彼から市内の料亭で芸子に囲まれて接待を受け、別れぎわに10万の現金まで頂戴した。 あの頃の10万は今の金でいくらぐらいか。当時、大学を中退して働いた造船所の月給が2万足らずだったから、今の100万円くらいか。 それからしばらくして、彼の材木屋が倒産し、その彼が何と

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