サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
andomitsunobu.net
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 統合報告書と統合思考原則 みんな大好き「パーパス(≒企業理念)」は、サステナビリティ戦略を考える上でも非常に重要な要素になります。もちろん統合報告書など、サステナビリティの戦略的側面の開示については、戦略の軸となるパーパスあってこそ成立するものです。 統合報告書の開示フレームワークである「IRフレームワーク」では「6つの資本(財務資本、知的資本、人的資本、製造資本、社会関係資本、自然資本)」がわりと界隈では有名で、特に日本では人的資本がバズってます。 しかしサステナビリティ情報開示を行う上では、6つの資本以外にも統合思考原則というフレームワークにある「6つの原則(パーパス、リスクと機会、ガバナンス、ストラテジー、カルチャー、パフォーマンス)」という考え方も重要です。ロジック的
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 サステナビリティ的視点のパーパスは、ブラックロックのラリーフィンクCEOの年初メッセージでも有名です。しかし、やや抽象的な話題も多く、実際に機能するためのパーパスはというと、あまりない印象です。 ここ数年でパーパスに関する書籍もたくさん出ましたが、内容というか著者がいわゆる広告・マーケティング系の方々が多く、サステナビリティ文脈でいうパーパスとは少し意味合いが異なる気がします。 というわけで本記事では、サステナビリティ視点によるパーパスの実践についてまとめます。 機能しないパーパス パーパスはプロダクトやサービスに組み込むことができた時点で成立します。企業理念もそうですが、言葉(概念)として存在すれば良いというものではないです。でも多くの企業にとって今はまだパーパスは言葉なの
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 SDGsによるビジネスモデルの変化 SDGsによりビジネスモデルが大きく変わった企業もありますが、多くの企業はSDGsによって、バックキャスティングができるようになったりはしていません。これは本当に難しい課題/問題なのです。 MDGs時代から10年以上この界隈を見てきていますが、2020年代のSDGs推進のポイントは「パートナーシップ」や「サプライチェーン/バリューチェーン・マネジメント」かなと思うようになりました。 そこで本記事では、現状のSDGsの課題をまとめて、さらに一歩進むためのポイントを紹介します。2020年度のSDGs推進のヒントにしてみてください。 SDGsとビジネスチャンス SDGsもですが、そもそも社会課題解決を自社事業だけで完結できることはまずありません。
今回はユニークなCSR報告書の事例を紹介したいと思います。 基本的に当ブログでは事例紹介はしなくなりましたが(事例を伝えても解決できる課題はほとんどないからです)、今回のはかなりユニークだったので紹介させていただきます。「独自性の高いCSR報告書ランキング」があったら1位になるんじゃないか、というレベル。 丸亀製麺で有名なトリドールという企業の「トランプ型CSR報告書」です。社員数十人の中小企業なら何やっても“面白いね”だけですが、上場企業がこれをやっていいの? という印象。 実物のトランプはとある勉強会で担当者の方からいただきました。本記事では、統合報告とCSR報告のあり方を含めてめて、事例からの学びをシェアします。 トリドールのCSR報告書 このトランプは、厳密にいうとCSR報告書ではないのですが、少し前に流行ったノベルティみたいな軽いものではありません。「楽しみながら、当社の活動を知
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 CSRとブランディング 一周まわって、最近になってまたCSR/サステナビリティ分野のブランディングの話が盛り上がってきています。 CSRのブランディングといっても、以前のようなPR・広告的なアプローチではなく、いわゆる企業価値向上の文脈で、無形資産とか、人的資本・人材資本、などからのアプローチです。あと、手法として、つまり「CSRでブランディング構築を」とか「ブランディングでCSR推進を」みたいな枝葉の部分ではなく、経営戦略と整合性のあるサステナビリティ戦略の話です。 結論から申し上げますと、ポイントは「企業価値の向上」と「ステークホルダー・エンゲージメント」あたりになると思われます。 ブランディング自体は専門外ですが、自分の思考整理を含め、CSRにおけるブランドについて今一
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 SDGsウォッシュと企業 SDGsの考え方が大手企業を中心に浸透してきていますが、その評価/効果測定はまだまだ浸透してないように思います。また、SDGsのKGI/KPIをCSRに組み込む(開示する)企業は増えているものの、その評価基準や評価手法はあいまいなままです。How にコミットメントする企業は多いのですが(〇〇を推進します)、成果・結果にコミットメントする企業はまだまだ少ないです。 そのような状況の中、企業はSDGsをどのようにCSRに組み込み現場レベルで実践できるのでしょうか。結論から言えば、企業としては、SDGsをサプライチェーン/バリューチェーンでマッピングし、実践できない限り“ウォッシュ”でしかないのです。 そこで本記事では、2020年以降にどんなSDGs対応を
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 SDGsと経営戦略 人でも企業でもCSR/サステナビリティでも、本音と建前があるものです。 先日「コンサルタントも陥る企業の罠「SDGsウォッシュ」とは」という記事を書きましたが、反響がそれなりにありましたし、今、まさにSDGsウォッシュな事例が増えている印象があります。私のようなSDGs推進をサポートする側が“こじつけ”としか言えないようなロジックを、顧客に提供する場面なんかに出会うことがありまして、モヤモヤすることが多いです。建前が社会において必要であることは否定しませんが、必須なことでは決してありません。 というわけで、本記事ではSDGsウォッシュと、戦略における本音と建前についてまとめます。 インパクトの存在 そのSDGs対応が建前か本音(本気)がどうかを知る簡単な方
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 CSRとKGI/KPIの関係性 CSRとは「ビジネスのゴールを決めること」であり「ビジネスアクションの線引きをする」でもあります。最近では、前者を「KGI(重要目的達成指標、成果指標)」、後者を「KPI(重要業績評価指標、行動指標)」と呼んだりします。 ビジネスにおいては財務的側面の目標もありますが、これはゴールではないと考えています。企業のゴールとは定性的なものであるはずです。例えば「ミッション」や「企業理念」です。企業の存在意義は企業理念の達成しかありません。目標設定は意思があってこそ意味があるというか。たとえば「中長期的には絶対正解なのに短期的にはそれなりのコストがかかる施策を来月実施できるかどうか」という課題は、その企業がどこにゴールを設定しているかによって決めるのが
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 CSR研修は難しい CSR研修は、本当に難しいです。 私は研修屋さんではないのでそこまで本数は多くないですが、クローズドな研修も含めてここ数年は年間10本前後していると思います。 一般告知で参加者を募るオープンなセミナーはまだいいんですけど、クローズドな社内研修は空気感が企業ごとに異なるし、時折無茶振りのようなことも起きますが、10年もやっているとそれでもだいぶ慣れてきた気がします。 しかし、自身は渾身の資料で渾身のプレゼンテーションをしたとしても、先方の理解がどこまで進むかというのは別問題なのです。60〜120分という短い時間で何を伝え何を感じて欲しいのか。毎度悩ましい課題を感じています。 さて、そんなCSR/サステナビリティ領域の研修についてですが、最近思うことがあり自分
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 CSRと社内浸透 CSR/サステナビリティ領域でよく上がる課題は「社内浸透」です。高いCSR評価を獲得している先進企業でも、従業員の認知はかなり低いという企業も多いです。(社名は言えませんが表向きの評価が高くても社内的には全然ダメな所が多いです) あと、今でいえばSDGsの社内浸透/インターナルコミュニケーションも活発ですね。社内のCSR教育も活発な企業は増えており、私でいえば、上場企業で、会長・社長を含めた役員会等でCSRの外部講師をさせていただくことが年数件あります。経営層も学ぼうとしている企業が増えているのは、支援側を含めて色々な方とお話して実感しています。 とはいえ、10年前から変わらないCSRの大きな課題である社内浸透。今考えている組織運営論を含めて、課題と解決策の
今回の読書メモは「3つのゼロの世界–貧困0、失業0、CO2排出0」(ムハマド・ユヌス、早川書房)です。 泣く子も黙る、ノーベル平和賞受賞者でグラミン銀行創設者のユヌス氏の最新翻訳書です。ユヌス氏は「ソーシャルビジネスの父」と呼ばれる、まさに“本業でCSR”をもっとも体現するする一人であります。 さて、本書は、いつもどおりのユヌス氏の本、とも言えますし最新のオピニオンが組まれた内容、ともいえます。誰も知らない話が書いてあるというよりは、全般的にユヌス氏の視点で世界経済の課題と解決策がまとめられています。改めて、ソーシャルビジネスの定義をアップデートしたような内容、というと伝わるでしょうか。 CSR担当者に不足しがちな、ビジネスよりの論理、自身のソーシャルマインド、世界的な経済の流れと企業動向に関する知識、などが本書から学べると思います。 ちなみに、今では世界中から注目されるユヌス氏ですが、最
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 コーズマーケティングはどこに? 2015年9月以降にSDGsが世界的に浸透し、今までよく耳にしていたCSR界隈のコンセプトの“淘汰”が始まっています。 そのコンセプトの重要度はさておき、CSVやBOPビジネスなど、SDGs前はコンサル企業が特に普及に努めていましたが、最近ではその普及スピードに陰りが見え始めています。そして、最近特に聞かなくなったのが「コーズマーケティング」です。コンセプト自体は昔からあるんですけどね。 コーズマーケティング(コーズ・リレーテッド・マーケティング)とは、主に「特定商品の売上の一部をNPO等に寄付する、寄付付き商品・サービスの販売および仕組みづくり」を指します。世界的には文字通りの「コーズ(大義名分)」を軸とした「大義のある理念に忠実なマーケティ
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 SDGsがグリーンウォッシュ? CSR関係者であれば「グリーンウォッシュ」というワードを聞いたことがある方も多いでしょう。 グリーンウォッシュとは、環境配慮がない商品・サービス・事業活動などをまるで環境に配慮しているように見せかけることです。環境意識が高いステークホルダーが評価してくれることを期待して、誤解を与えるような訴求を行う企業行動のこととも言えます。 最近、CSR関係者で話題になるのが「SDGsウォッシュ」です。つまり「レポーティング等でSDGsに対応しているように“見せかけている”けど、実際はなんの成果も出ておらずゴール達成に貢献していない」ことを指すと考えればよいでしょう。 CSR関係者は、SDGsのネガティブな側面や課題についてほとんど話をしません。(推進するこ
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 SDGsの企業の課題 SDGsに日本企業はいかに貢献できるか。そして、SDGsという考え方を利用することで、企業自身がどのような価値を生み出すことができるのか。 日本企業は、SDGs達成に向けたアクションで「なぜ自社が行うか(必然性)」「何を実現したいか(価値創出)」「イノベーションを起こせるか(意識変革)」などを確かめながら、日々の通常業務を行わなければなりません。SDGsのようなグローバル・ビッグイシューと対峙するには、企業単体でどうにかなるものではないので、相当な覚悟と努力が必要になります。 さて、では、企業がSDGsを進める上で、どのような課題が考えられるでしょう。2018〜2019年でより注目されるであろう課題や企業価値についてまとめます。 SDGsのビジネスモデル
2018年もスイスで行われた経済会議である世界経済フォーラム(ダボス会議)期間で発表された「世界で最も持続可能な100社」(Top 100 Most Sustainable Corporations in the World、Global 100 Index、Global 100)。 >>2018 GLOBAL 100 カナダのコーポレートナイツ社が選ぶ「Global 100」は、財務/収益体制、サステナビリティ情報開示、などに関する指標のランキングです。2005年より毎年ダボスで開催される世界経営者会議で発表されています。 日本企業は4社ランクイン 日本企業は、21位:本田技研工業、44位:武田薬品工業、55位:積水化学工業、68位:日産自動車、という選出。選出企業が減りがちでしたが、なんとか4社がランクインしたようです。各社のプレスリリースは以下の通りです。データは、メルアド登録でダウ
CSRランキング 本日発売の『週刊東洋経済 2018年 2/17号』で、最新版「CSR企業ランキング」が発表されたのでシェアさせていただきます。 「CSR企業ランキング」とは、2007年から行われている東洋経済新報社の「CSR企業調査」のデータを元に財務・非財務の両面を評価した、国内唯一のCSR総合評価ランキングです。調査自体は2005年から実施されています。雑誌では詳しいランキングが載ってますので急ぎで確認したい方はそちらでどうぞ。例年通りだと数ヶ月後にウェブで情報開示されると予想しています。 では早速ランキング上位企業をチェックしてみましょう! 追記:2018年6月9日 「オンライン記事」も公開されました。 CSR企業ランキング2018 1、NTTドコモ(2017年の順位、4位) 2、KDDI(3) 3、ブリヂストン(2) 4、コマツ(4) 5、花王(9) 6、富士フィルムホールディン
CSRコミュニケーションやステークホルダー・エンゲージメントにおいて、よく話題に上がる課題の一つで「社内浸透」があります。 従業員が数人の会社でも数万人の会社でも、規模の差こそあれ同じ課題を持っています。なぜCSRの理念や活動は社内で浸透しにくいのか。 様々な要因がありますが、根本的には「CSR活動に合理性を感じないから」でしょう。では、なぜ合理性を感じることができないのでしょうか。 完全に持論ではありますが、CSRにおける社内浸透(インターナル・コミュニケーション)についてまとめます。 3つの課題 1、CSRの目的および目標が曖昧 目的・目標がない、もしくは非常に曖昧な場合は、実行の意味も薄れ取り組みの優先順位が下がる。従業員自身のインセンティブを喚起できない。曖昧な指標は管理(マネジメント)することが非常に難しい。 2、情報共有ができていない 企業として様々なCSR関連ツールが存在する
CSRのその先へ 2003年のCSR元年から、来年で15年です。この15年で大きく変化してきたCSRの概念ですが、この節目に新たなステップが必要かと思っております。 社会が大きく変化しており、従来のCSR論では企業はステークホルダーとの適切な関係作りが難しくなっているように思います。特にESG領域がそれが顕著ですね。 そこで「これからのCSR」について考えようというと「それってCSVですよね」と言われそうですが、CSVではありません。CSVはCSRと同じゴール(社会課題解決)ですが、マーケティング要素が強く本来のCSR活動のほとんどを網羅していませんので。 そこで本記事では、先日のセミナー「CSR/CSV情報発信によるデジタルコミュニケーション最新動向」でもほんの少しだけ話しをさせてもらったのですが、改めてCSRの定義というか現実的なアプローチ方法をまとめます。 これからのCSRコンテンツ
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 CSVの基礎と応用 CSR/CSVにおける経営・マーケティングってなんでしょうか。 CSVで大きく3つのアプローチがあるのはご存知の通りです。「製品・サービス(プロダクトやサービス)」「バリューチェーン(事業プロセス)」「地域クラスター(外部ステークホルダー)」という3つの枠組みです。 そのため新規でCSVを行うという企業は「商品、プロセス、外部ステークホルダー」という3つのビジネスプロセスの中で、まずはどこかに注力することで新しい道が開ける(可能性が高い)というわけです。 ですが注目すべきポイントがわかっても、特にCSVはCSR担当者より経営企画・マーケティングなどの部門が本来担当する領域でもありますから、ゼロ・ベースでCSVを構築するのは困難です。とはいえCSRの“切り札
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 豆乳CSRの意味 突然ですが「豆乳CSR」って聞いたことがありますか? 豆乳CSRとは「(豆乳製造会社が)豆乳は健康に良い→自分たちの本業自体が人々の健康に貢献するという社会貢献だ→これって本業でCSRじゃん!」という、確かにCSRしているっぽいロジックのことです。ちなみに、これは悪いロジックの例です。 これは藤井敏彦さん(経済産業研究所)の造語だったと思います。CSRの論客から、最近はロビーイングやグローバル経済に関する論述が多いです。 というわけで、最近この豆乳CSRを思い出してしまう出来事があったので備忘録としてまとめておきます。 本業でCSR CSV論の登場から丸5年がたち「本業でCSR」という概念が企業に浸透してから、この悪質な豆乳CSR論ができているのも事実です。
企業の障害者雇用に過度なメリットを期待するのは、良い悪い? 企業の障害者対応となると、CSR的には法定雇用の「就労支援」のような動きがメインかと思います。QOL(生活の質)向上などの活動は、CSRというよりはソーシャルビジネスやNPOなどのソーシャルセクターの活動のほうが大きいかもしれません。 ただし、それらの企業のCSR活動は、「ソーシャル・インクルージョン」(社会的包摂)の理念に基づくものではなく、障害者雇用等の法律があるから実施しているという面も現実的にはあるでしょう。 雇用に関する話は、厚生労働省の5年ごとに行われている「障害者雇用実態調査」(前回は平成25年)や、内閣府の「障害者白書」(最新版は平成28年)なども参考にしてみてください。 本記事では、雇用問題だけではなく”感動ポルノ”と呼ばれる、「ハンディがある人が頑張っているのは美しい」(もしくは同情や感動を過度に求める)という
CSR活動でわかりにくく、しかしインパクトが大きいカテゴリーといえば人権です(!?)。 しかしながら、日本に住んでいて日本でお仕事をされている方の多くは「人権問題は身近で起きていない」と感じているのではないでしょうか。 そのあたりのギャップ差をうめるべく、本記事では人権に関する国内外の事例をご紹介したいと思います。 キーワードは、人権啓発、現代奴隷制度、人権デューディリジェンス、人種、ジェンダーフリー、などです。 人権啓発支援 ・中小企業庁|人権啓発支援事業に係るパンフレット 中小企業庁、めっちゃいい仕事してる!トップランナーの人たちからすれば、たいしたことがないかもしれませんが、人権に関する様々なパンフレットが中小企業庁より発行されているので、国内メイン企業の意識向上などにはちょうどいいかもしれません。 こういう資料をファーストステップとして参考にしながら、以下でも紹介する資料等を合わせ
CSR活動の一環として、NPO法人/社団法人/財団法人/基金(以下、非営利組織)などを作る動きがあります。 「九州電力、地域社会貢献活動拡充へ社団法人設立」というニュースを見て、気になる所があったのでメモがてらまとめます。 最近は「本業でCSR」というCSV・ソーシャルビジネス的なこと“だけ”が良しとされ(僕もプッシュしてます…)ますが、本業とは遠くとも地域やコミュニティとのつながりを強めようと、企業ではなくCSR活動を非営利組織として法人化させる活動が一部の大手企業であります。 しかし、法人化は社会貢献活動をアウトソースする形になって、企業の社会的負荷(ネガティブ・インパクト)を無視しているとも捉えられるため、この動きには慎重であるべきです。 大手メーカーなんかは昔から財団法人や基金を作っていて、そちらで社会貢献活動を主導する場合も多いです。富の再配分と言いましょうか、これはこれで意義の
コーズマーケティング/コーズリレーテッドマーケティング コーズマーケティング(コーズリレーテッドマーケティング)。日本では、文字通りのコーズ(社会課題、大義名分)との関連性のあるマーケティングではなく、「寄付付き商品・サービスの販売」を指すこと(定義される)が多いです。 国内で大きな災害が起きる度に盛り上がるのは良いことなのですが、僕はふと思ったわけです。 果たしてコーズマーケティングは、本当に社会に貢献しているのか、と。中途半端な期間・企画で毎度実施するのは事業活動としていかがなものか、と。 というわけで本記事では、僕のコーズマーケティングについて独り言をまとめます。 社会貢献という「富の再配分」 「富の再配分」が悪いわけではありません。アメリカのフィランソロピーのように、ノブレス・オブリュージュのように稼いだ人が社会に還元する方法は素晴らしい仕組みだと思います。 しかしそれらは文字通り
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 障害者差別解消法の施行 先々週の4月1日から「女性活躍推進法」と同じく「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が施行されました。 2013年6月制定、2016年4月施行となった「障害者差別解消法」。CSR担当者であれば、直接ではないにしても情報開示などで関わってくる部分ですし、チェックしてるとは思います。(えっ、してないの?) たとえば、この法律の中で「合理的配慮」という概念があるのですが、企業としてどのように対応をすればよいか理解していますでしょうか。この「合理的配慮」は法律による義務ですよ!(民間企業は努力義務だけど) 「障害者差別解消法」の企業対応の具体的内容と解説、参考資料の紹介、あわせてCSRと障害者に関する課題についてまとめます。CSR
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 LGBTと企業の関係性 ここ数年で企業のLGBTに関する取組みが一気に増えました。 それと同時に、LGBT当事者の方が法人・個人問わずビジネスコンサルタントとして活動を始めたり、LGBT系のウェブメディア/ウェブマガジンを立ち上げたりするようになってきました。社会課題やマイノリティ視点などが可視化され一般的になることはとても良いことだと思います。 特にメディア運営は参入障壁が低いこともあり、これからレッドオーシャンになっていきます。また、ビジネスコンサルティングも、ダイバーシティや女性活用の領域の方々も企業のLGBT支援ビジネスに参入するでしょうし、こちらも後発組は相当なマーケティング力が必要となるでしょう。 さて、それはさておき本題。本記事では主に2015年の企業の事例を(
今年も「世界で最も倫理的な企業」が発表されましたのでシェアします。 今年は、日本からは、花王・リコー・資生堂の3社が入賞しました。んーと、去年と同じ3社ですね。去年の動向や、その他の選出企業については、エシスフィアのウェブサイトをご確認ください。 ・今年のランクインはリコー、資生堂、花王–「世界で最も倫理的な企業」(2015) ・World’s Most Ethical Companies Honorees 以下、各社のプレスリリースです。 ・2016年世界で最も倫理的な企業(2016 World’s Most Ethical Company®)に7度目の選定 ・花王、10年連続で「World’s Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)」に選定 ・資生堂、「World’s Most Ethical Companies 2016(世界で最も倫理的な企業)」に5
今回は、味の素が行なっている「ガーナ栄養改善プロジェクト」の紹介をします。 この取組みはCSR部門が行なっているプロジェクトなものの、ウェブサイトにも書かれているとおり「ソーシャルビジネス」(インクルーシブビジネス)的な取組みとなっており、非常に注目度の高いものとなっています。 「ガーナ栄養改善プロジェクト」のように、ビジネス・セクター(企業)、ソーシャル・セクター(NPO/NGO)、パブリックセクター(政府・自治体・大学)による協働プログラムは、「トライセクター・コラボレーション」や「マルチステークホルダー・コラボレーション」とも呼ばれています。このプログラムは、マルチステークホルダー・コラボレーションの日本先進事例ともいえます。 栄養改善で子どもたちの未来を拓く ~ガーナ栄養改善プロジェクト~ 味の素グループが創業以来積み重ねてきた、食品やアミノ酸についての膨大な知見。それを、開発途上
サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 CSRとCSV 最近は、CSR(企業の社会的責任)とCSV(共有価値の創造)との議論は少なくなってきた気がします。 CSVの概念は提唱から4〜5年立ちますが、CSVではCSRの本質的な課題が解決できないとわかったのか、提唱したハーバード大学のマーケティングの権威であるマイケル・ポーター先生自体がCSV推進を諦め始めているなんて噂も聞きます。ポーター先生も、誤ったCSV論が広がって辟易しちゃってる? というわけで、最近のCSVまわりの話をまとめます。 あらかじめ申し上げますが、僕は「CSV推進派」です。CSVの概念がもっと日本に浸透すればいいなと思っている人間です。また「CSRマネジメント」は企業経営において、リスクと機会の双方に大きな影響を与える概念であり、必ず推進すべき課題
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『CSRのその先へ(安藤光展のWebサイト)』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く