「筋通しニキ」こと、東大生がデート後に送った「フェードアウトするなら筋通しましょうや…」というLINEがSNS上で拡散され、ある種のミームとして扱われているが、この出来事には一笑に付すには済まされない本質的な問題があると思っている。それは、男性が女性に対して抱く好意が、時に女性にとっては警戒や不安を呼び起こす対象になり得るという現実への想像力が欠けていること、そしてごく浅い関係性にもかかわらず「誠実な対応」や「説明責任」を一方的に求めてしまっているということだ。 たとえば、一度や二度の食事やデートに応じたからといって、相手が自分に何らかの義務や責任を負うわけではない。そこに気持ちの変化があっても、それを言葉で丁寧に説明する義務は本来ないはずだ。だが、筋ニキ構文は「自分が誠意を持って接したのだから、相手も筋を通すべきだ」と考えているように見える。その根底には、自分の感情や期待が当然に報われる