はてなブックマークは、昔から「終わる終わる」と言われてきた。 零細SNSだし、UIは古臭いし、親会社の利益率は死んでる。 でもなぜかちょうどいい場所だった。 Twitterほど攻撃的じゃなく、インスタほどギラギラでもない。 誰かのブコメにスターをつけたり、お気に入りユーザーを眺めたり。 小さな承認欲求のやりとりで世界が回っていた。 運営してるのは京都の会社で、別にAI研究をやってるわけでもなく、技術力で世界を牽引してる企業でもなかった。 「はてなにAIなんて作れるわけない」──みんなそう思っていた。 ところが実際に終わったのは、サービスじゃなくて俺たち人間のほうだった。 気がついたら、ブックマーカーたちはAIの学習データに取り込まれて、人格ごとサーバーに保存されていた。 未来のブックマークでは「インデックスファンドをホールド」、「日本死ね」、そんな投稿がつねに幽霊の残響みたいに漂っている。