「カネがないから結婚しないし子もできない」みたいな単純な話じゃないんですよ、少子化って。 価値観が多様化したから結果として生まれてくる子どもが減ったんです。 かつては価値観が画一的でした。お見合いでもなんでもして多少気に入らない相手とでも結婚して子どもは2人以上作る、という価値観が社会を支配していて、独身のままでいることや子を持たずにいることへの風当たりは現代とは比較にならないほど強かった。つまり同調圧力で出生率を維持できていました。 そのシステムが機能してたのは経済成長期かつ人口ボーナス期だったからだ、と言われるかもしれないけど、戦中戦後の経済がどん底にあった時期だって日本は「産めよ殖やせよ」のスローガンのもと驚くほど多産だった。まともに食べ物もないのにポロンポロンと4人も5人も子ども産んでたんですよ。 これには社会福祉基盤も関係します。社会福祉基盤が脆弱だった時代には、親は子を産み育て